館長日記

進学塾弘文館ブログ

進学塾弘文館は、佐賀県の片田舎の進学塾です。思いついたことを、気ままに書いていこうと思っております。

人物本位入試(2)

 最初に考えていただきたいことは、「スポーツで優秀な成績を上げようと努力することは悪いことか?」ということです。この質問に関してはほとんどの場合、異論はないでしょう。なかなか「悪い」とは言えません。それでは「テストでいい点数を取ろうと努力することは悪いことなのか?」という質問はいかがでしょう。もうひとつ質問があります。「勉強するために、体力や精神力は必要か?」という問いはいかがでしょうか。ここまでくると私の言いたいことがご理解いただけるのではないかと思います。スポーツと勉強をまったく同じ土俵で語ることはできないのでしょうが、スポーツにおいて厳しい練習を長期間続けることと、テストでいい点数を取るために努力するということは、そのモティベーションを維持するための精神的な強さや体力そのほかの要素も含めて酷似した部分があるのです。そう考えてみると人物本位入試ということは少なくとも課題1を解決する手段にはならないどころか、逆の結果を産み出すおそれがあります。オリンピックの競技で負けた選手が金メダルになって、勝った選手が銀メダルだったらいかがでしょう?その理由が負けた選手のほうがよりフェアプレイをしたからという理由だったら納得できますか?人物本位入試というのはそういうことなのです。